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オートデスク ニュース

Autodesk、建設業向けソリューションの機能拡張を発表 〜新たなデータ接続環境と AI 機能により BIM の力強い未来を構築〜

米国 Autodesk 社(本社:米国カリフォルニア州/代表取締役社長兼 CEO:アンドリュー・アナグノスト)は、2024 年 10 月 15 日から 17 日(日本時間 10 月 16 日から 18 日)まで米国サンディエゴで開催されたデザインと創造(Design & Make)のカンファレンス「Autodesk University(AU) 2024」にて、複数の建設業向けソリューションの機能拡張を発表しました。

グローバル全体において、リモートワークの普及や労働力不足、テクノロジーの進化が潮流となって久しい昨今、これらの変化に対応するには、パラダイムシフトが必要です。

Autodesk では、最終的な成果や価値の創出に重点を置くアプローチである「アウトカムベース BIM」が建築・エンジニアリング・建設・運用(AECO)業界を大きく変える鍵となり、プロジェクトライフサイクル全体を通じたカーボンニュートラルの維持や廃棄物の削減といった成果を達成するためのソリューションになると考えます。

アウトカムベース BIM の実現に向けて、Autodesk では提供する製品を AI により進化させています。そこで、基盤として重要になってくるのがデータです。詳細でアクセシブルかつオープンなデータがあることで、プロジェクトライフサイクルの最初から最後まで、複数のチームが力を合わせて取り組むことができます。良質なデータは、ペースの速いスケジュールへの対応を容易にし、AI から得られる洞察を提供して生産性を向上させ、より多くの情報に基づいた意思決定を可能にすることで、リスクを全面的に軽減します。

そして、今回 Autodesk では、複数ある AECO 業界向けソリューションにおいて、データ活用に関する機能を拡張しました。

 

プロジェクトライフサイクル全体におけるデータを活用したコラボレーション

Autodesk では、昨年 5 月のリリース以来、AECO 業界向けインダストリークラウド Autodesk Forma® の構築を継続的に進めています。これは、Autodesk とサードパーティの両方のソリューションにおいてプロジェクトデータを接続し、建築環境の設計、施工、運用を担う複数のチームの間で BIM ワークフローを統合することを目的にしています。これらのデータの価値を引き出すうえで鍵となるのが、AECO 業界向けの共通データ環境である Autodesk Docs です。

Autodesk Docs は、AutoCAD®、Autodesk Construction Cloud®、Revit®、Autodesk Tandem®、Civil 3D®、Autodesk Workshop XRTM などの複数のソリューションにまたがりデータを接続、体系化、保護するセントラルハブです。これにより、プロジェクトライフサイクル全体を通じて、適切なデータが、適切な相手に、適切なタイミングで届くようになります。

Autodesk Docs ユーザーによる粒状データの利用を可能にするための重要な一歩として、Autodesk は  2024 年前半に AEC Data Model API をリリースしました。そしてこの度、アウトカムベース BIM の実現に向け、新たなマイルストーンを達成しました。

Autodesk の AECO データリポジトリである Autodesk Docs が、Autodesk Forma に接続されることになりました。時間の経過とともに、新しいワークフローと機会がもたらされ、複数のチームとプロジェクトデータを 一つにつなぎ、コラボレーションを促進できるようになります。たとえば、デジタルホワイトボード & コラボレーションツールである Forma Board では、一つのライブデジタルコンセプトに関して Autodesk Docs ファイルからビジュアルデータをインポートし、ステークホルダー(設計者、エンジニア、協力業者)をつなげることができるようになりました。これらすべてが、Autodesk Docs と一元化されたデータにより実現します。

<Forma Board デモンストレーション>

以降も、Autodesk Forma と Autodesk Docs の接続により、Autodesk Forma と Revit の統合が徐々に強化され、Autodesk Forma の計画ツールと Revit の詳細な設計およびドキュメンテーションの機能との強力かつ流動的な接続基盤が築かれることになります。

また、Autodesk Docs に接続された没入型デザインレビューワークスペースである Autodesk Workshop XR の商用リリースにより、コラボレーションも強化されます。Autodesk Workshop XR では、設計チームとステークホルダーが 3D モデルをヒューマンスケールで歩き回ることができ、究極の設計レビュー体験が実現します。拡張現実環境により、建築環境における空間体験をより深く理解できることから、設計上の問題を発見・把握し、コストのかさむやり直しや、遅延、プロジェクトの無駄を防ぐことができます。

 

データと AI により成果の向上を促進

データの正確な取得は、AI を使用してアウトカムベース BIM を高度化し、顧客ワークフローを改善するための基礎となるものです。AU 2024 では、生産性、創造性、持続可能性を向上させる Autodesk AI の画期的な進歩について取り上げています。その 1 つに、Autodesk Forma エンボディードカーボン解析(現在ベータ版を提供中)があります。

設計プロセスのより早い段階で建築資材の二酸化炭素排出量を測定できれば、それだけ、結果により大きな影響を与えることが可能です。AI を活用した同機能により、設計者はマテリアル設計の決定について、初日からテストできるようになります。これは、AEC Collection における Autodesk の Total Carbon Analysis for Architects の機能の 1 つであり、照明、HVAC、建築要素、建材などのカーボンの影響を測定することができます。また Autodesk AI を使えば、膨大なデータから情報を簡単に抽出できます。

Autodesk Assistant for Autodesk Construction Cloud (以下、Autodesk Assistant)のベータ版がリリースされたことで、ユーザーが仕様書に関する質問を容易に行えるようになりました。Autodesk Assistant は、自然言語プロンプトを使用して、特定の質問に答えたり、項目リストを生成したりできるほか、プロジェクトコミュニケーションの要約を作成したりすることも可能です。時間の経過とともに、Autodesk Assistant は日々のワークフローを深く学習していき、チームの時間の節約とリスクの軽減に役立ちます。Autodesk Assistant for Autodesk Construction Cloud は、仕様書に関わる関連情報を探すのに便利です。

<Autodesk Assistant for Autodesk Construction Cloud デモンストレーション>

さらに、現実世界のデータとコンテキストの使用は、建築環境の設計と、より良い成果をあげるうえで特に役立ちます。

Autodesk は、地理情報システムを提供する Esri との戦略的提携に対する投資を続けています。Autodesk Forma 内での Esri のデータの可用性を拡大する予定であり、これにより設計プロセスの早い段階で、設計者が重要なコンテキストデータにアクセスできるようになります。Esri の地形データへの既存のアクセスに加え、ArcGIS のコンテクスチュアルな地理データを統合することを計画しています。これら Esri と同意の上で共有された顧客データを含む、建物、ゾーニング、道路、敷地境界、画像といったデータが含まれます。このような統合の拡張により、設計者やプランナーは Autodesk Forma を利用してロケーションを考慮に入れた設計を行い、より高い持続可能性とレジリエンスを持ち、地域社会を効果的に支援するプロジェクトを実現できるようになります。

Esri の ArcGIS と Autodesk Forma の統合が拡張されることで、ロケーションを考慮に入れた設計が可能になります。

<Esri x Forma workflow デモンストレーション>

コア製品への投資により未来を構築

AECO 業界の変革を進めるうえで、Autodesk Docs に接続された Revit、AutoCAD、Civil 3D、Autodesk Construction Cloud などのコアポートフォリオへの投資がより重要になってきます。Autodesk は、お客様のビジネスのレジリエンスと効率性を高めるために、これらのソリューションの継続的な改善に取り組んでいます。

たとえば、最近発表したRevit、AutoCAD、Civil 3D を合わせると、500 を超える機能と機能強化を提供しており、その多くがお客様のフィードバックにより提案されたものです。お客様の生産性を向上させ、プロジェクトで成果があがるように、コアポートフォリオを更新しています。以下は、その一部です。

  • AutoCAD 2025:AutoCAD 2024 と比較して、ファイルを開く時間が半分になったことで、ユーザーの待機時間が短縮され、設計により多くの時間をかけられるようになりました。また近日中に、お客様のワークフロー内で AutoCAD を最大限活用していただくために、ほぼリアルタイムの情報を提供する新しいタイプのインサイトのプライベートベータ版を提供開始する予定です。
  • Civil 3D(Autodesk Collaboration for Civil 3D):ビューアの既存の機能を強化し、主要インフラの計測、断面化、3D モデルの統合を可能にしました。また、Web用シートセットマネージャを更新し、デスクトップ版に近い機能を提供できるようになりました。
  • Revit 2025:お客様から要望の多かったシートコレクションやドキュメントセットの管理のためのPDF のアップグレードといったリリースや、オープンなワークフローを実現する BIM の相互運用性の向上、パフォーマンスの向上、パーソナライゼーション、インサイトのアップグレードなど、常にお客様からのフィードバックを反映しています。

さらに、Autodesk は先般、Sample Project Templates、Budget Snapshots、および Autodesk BuildのCost Management とBuildingConnected Pro の新たな統合など、Autodesk Construction Cloud の新機能を発表しました。これにより、ノイズを取り除き、必要な情報のみを見ることができるようになります。

コアポートフォリオは、アウトカムベース BIM に向けた出発点です。Autodesk は、未来を見据え、Autodesk Forma を AECO インダストリークラウドとして進化させながら、お客様の現在の成功を支援することで、この変革にお客様とともに取り組んでいます。

 

BIM の未来を今すぐ応用

AU 2024 でのこれらの発表は、アウトカムベース BIM など AECO 業界の未来に向けた取り組みの現時点の状況を示すものです。

Baker Barrios Architectsをはじめとする、複数のお客様が Autodesk Forma を利用して革新的なデジタルワークフローを構築し、複数のソフトウェア製品を 1 つのセントラルプラットフォームに接続して統合し、アウトカムベースのアプローチにより設計を行っています。

Baker Barrios Architectsの最高設計責任者である Wayne Dunkelberger 氏は次のように述べています。

「Autodesk Forma は当社にとって『重大な転換点』となりました。ビルが実際に現場に建ったときに現実世界でどのように感じられるかを確認できる、いわばタイムマシンです。Autodesk Forma では複数のタスクを 1 つのツールで実行できるため、設計者がクライアントの設計上の問題をよりクリエイティブに解決することができます」

Baker Barrios Architects は、Autodesk Forma を利用してアウトカムベースのアプローチにより設計を行っています。

<Baker Barrios Architects 事例>

Baker Barrios Architects のようなお客様の成功事例は、Autodesk が目指す未来へ順調に前進していることを示すものです。

データ、AI、そして Autodesk Forma は、革新的な方法で意欲的に問題解決に取り組む人々を支える画期的なツールです。Autodesk は、設計から製造、運用までのすべての工程で、無駄や、知識の損失、摩擦を減らした未来を構築するために一丸となって取り組んでいます。

AU 2024 は、公式 HP にて無料のデジタルパスを取得のうえ、アーカイブをご視聴いただけます。

 

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Autodesk Japan Communications

オートデスク株式会社 コミュニケーションズチームです。企業情報、製品・サービスからテクノロジーやパートナーシップまで幅広いトピックに関する記事をお届けします。

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