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オートデスク ニュース

Autodesk、米国パラリンピアンで BioDapt 社 CEO 兼創設者のマイク・シュルツ氏との、次世代義肢の開発に向けた提携を発表

米国 Autodesk 社(本社:米国カリフォルニア州、プレジデント兼 CEO:アンドリュー・アナグノスト、以下、Autodesk)は、2028 年ロサンゼルス大会およびその先を見据え、パラアスリート向け次世代高性能義肢の開発を加速するため、BioDapt, Inc.(以下 BioDapt 社)との提携を発表しました。BioDapt 社 CEO 兼創設者であり、米国パラリンピックで 3 度のメダルを獲得したデザイナー兼製作者のマイク・シュルツ氏は、 コルティナで開催される大会をもって 、パラスノーボード競技から引退します。 

画像:Autodesk のボストンテクノロジーセンターを視察するシュルツ氏

本提携は、Autodesk とシュルツ氏が、AI 搭載の製造業向けインダストリークラウド Autodesk Fusion® (以下、Fusion)利用して数ヶ月にわたり進めてきた、シュルツ氏の競技用義肢システムの主要コンポーネントの再設計および改良における技術協業を基盤としています。現在、シュルツ氏は BioDapt 社の創設者兼 CEO としての役割に完全に専念する段階へと移行しており、本協業は今後冬季および夏季パラスポーツ全体にわたる、より広範囲なイノベーションの推進と事業拡大を支援していきます。

本提携のインパクトは、エリート競技の枠をはるかに超えるものです。世界保健機関(WHO)の調査によると、世界では 25 億人以上が 1 つ以上の補助器具や支援製品を必要としていますが、一部の国ではその利用率がわずか 3% にとどまっています。BioDapt 社の取り組みは高性能スポーツ分野から始まっていますが、根本的な課題は、汎用的な設計および製造の問題です。すなわち、複雑で高性能な製品を、耐久性を備え、再現性を確保しながら、より多くの人々が利用できるように構築するかということです。

パラアスリートの競技の最前線を支える、設計効率、製造性、データの一貫性における進歩の数々は、医療機器から産業機械を支える高度機器、建築製品の製造、さらには次世代コンシューマー製品に至るまで、Autodesk があらゆる業界のものづくりに提供していると同じ中核的な技術基盤です。これらの技術は、信頼性の向上、コスト削減、そして大規模な普及の実現に貢献しています。

アスリートから専業メーカーへ

シュルツ氏のキャリアは、常に一流アスリートとものづくりの担い手いう 2 つの側面を併せ持つものでした。2008 年のスノーモービル事故で片足を失った後、彼はスノーボード競技に耐え得る義足を自ら設計・製作しました。2010 年に設立した BioDapt 社は現在、パラスノーボード・ワールドカップをはじめとする国際パラスポーツ大会に出場する世界の下肢切断アスリートの約 90% を支援しています。コルティナでは、シュルツ氏が開発した義肢装具を着用する約 25 名の選手が出場予定です。

技術の進歩に伴い、エリート競技向け義肢装具の最適化の可能性はさらに広がっています。その一方で、進化は要求水準を引き上げ、再現性のある製造、耐久性、修理性、そして、遠征やトレーニング、変化する環境でも一貫した性能を発揮できることが求められています。

 

写真左:Fusion で設計するシュルツ氏 写真右:競技中のシュルツ氏

Autodesk Fusion で義肢設計を進化させる

シュルツ氏は、最後の競技を前に、Autodesk Research および Fusion チームと協力し、長年にわたる義肢開発データや既存の CAD モデルを Fusion に統合しました。これにより、BioDapt 社の設計データをクラウド上で一元管理する Fusion Hub を構築し、単一の信頼できる設計基盤(source of truth)を確立しました。

チームは、シュルツ選手の足首フレームとバインディングブレースの改良を最優先課題としました。3D プリント時間を延長することなく剛性を高め、寒冷環境下での性能と耐久性を最適化しました。さらに、複数の BioDapt 下肢モデルに対応できる穴パターンを追加することで、複数のバージョンを製造する必要性を軽減しました。

Fusion の設計・シミュレーション・製造を統合したワークフローにより、選手としてのシュルツ氏は、トレーニングと大会の合間を移動中でも、迅速な設計反復を実現しました。その結果、トレーニング中の耐久性が向上し、アップデート以降、部品の故障は発生していません。これは、繰り返し衝撃を吸収する部品にとって重要な進展です。

この冬の競技シーズンを通して、シュルツ氏は義肢装具の信頼性と構造的整合性への確認を深めながら競技に臨みました。装具の性能が安全性と結果に直結する競技において、これは大きな成果といえます。

今後の展望

今後はパラスポーツ分野のイノベーションに専念するシュルツ氏は、Autodesk とともに、2028 年ロサンゼルス大会およびその先を見据え、大会に向けてトレーニングを行うパラアスリートの支援に取り組みます。

今後の研究領域として、以下が挙げられます。

  • 金属 3D プリントを活用した高度な足首フレーム設計
  • モーションキャプチャおよび埋め込みセンサーデータの統合による、力の伝達と材料疲労の高度解析
  • Fusion の AI 機能による設計改善案の自動生成および評価(トレーニング環境の変化に応じた義肢の最適化を支援)

「私のキャリアには常に二つの側面、競技とものづくりがありました」とシュルツ氏は語ります。「長年、最高のアスリートになることを目指すと同時に、そのパフォーマンスを可能にする装具の改良にも数え切れない時間を費やしてきました。競技を退く今、これまでの経験を次世代のアスリートの支援に活かせることに興奮しています。Autodesk との協業により、力の伝達の仕組みや材料の疲労箇所をより深く理解できるようになりました。小さな設計変更が、一人だけでなく多くのアスリートに確かな違いをもたらします。私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。」

「シュルツ氏は、一流アスリートであると同時にエンジニアとしての徹底した思考を備えています」と、Autodesk の設計・製造担当エグゼクティブ バイスプレジデント、ジェフ・キンダーは述べています。 「Fusion により、設計と製造を単一のクラウドベース プラットフォームに統合し、チーム・データ・ワークフローを連携するとともに、AI  を活用してコンセプトから生産までの開発を加速します。この統合アプローチにより、あらゆるアスリートが使える高性能な義肢装具イノベーションの再現可能なモデルを生み出します。」

■マイク・シュルツ氏および BioDapt 社について

2008 年、シュルツ氏はスノーモービル競技中に膝に重傷を負い、その結果、左足を膝上で切断することとなりました。それから 7 か月後、再び競技に復帰したシュルツ氏は、かつて自ら取り組んでいた過激な競技スポーツには、従来の義足では対応できないことに気づきます。彼は、特許取得済みのリンケージシステムと  FOX 製マウンテンバイク用ショックアブソーバーを採用した、耐久性と汎用性に優れた機械式膝関節を自ら開発しました。同時に、高衝撃に対応できる競技用義肢のさらなる進化が必要であることを確認します。この取り組みが、2010 年の BioDapt 社設立へとつながりました。同社は、負傷兵やアスリート、そして再び活動的な生活を目指す切断者を支援しています。

2018 年、シュルツ氏は米国パラリンピック代表に 選出されました。スノーボード・ボーダークロスおよびバンクドスラロームに出場し、両種目でシーズン総合優勝を果たすとともに、平昌パラリンピックで金メダルと銀メダルを獲得しました。同年、チームメイトの投票により開会式で米国旗手を務めました。2018 年 7 月には、ESPY 賞「最優秀男性障がい者アスリート賞」を受賞しています。一度はエリート競技からの引退を検討したものの、2022 年に世界の舞台へ復帰しました(同年には著書『Driven to Ride』も出版)。復帰後の大会でも再び銀メダルを獲得しています。2022 年北京冬季パラリンピックでは、11 カ国 26 名の選手に BioDapt 社製の義肢を提供しました。2025 年スノーボードワールドカップおよびパラリンピック競技においては、世界の下肢切断競技者の 90% が BioDapt 社製の義肢を使用しています。

■Autodesk, Inc. /オートデスクについて
1982 年に設立した Autodesk は、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を構え、現在世界約 40 カ国・地域で事業を展開している「デザインと創造」のプラットフォームカンパニーです。サステナブルな建築物から次世代自動車、デジタルファクトリー、最先端技術を駆使した映画やゲームにいたるまで、ありとあらゆるものづくりのデザイン・設計・創造をテクノロジーの力でサポートしています。建設、製造、メディア & エンターテインメント業界における業務の効率化・自動化を促進する業界に特化したソリューションを搭載したインダストリークラウドを提供するほか、部門間のみならず業界全体の連携を実現し、業務プロセスを横断的にサポートする「デザインと創造のプラットフォーム」を展開し、より良い未来を築くべく、新たな可能性に挑戦するすべてのイノベーターを支援しています。詳細については、https://www.autodesk.com/jp をご覧になるか、Autodesk のソーシャルメディアをフォローしてください。 #MakeAnything

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Autodesk Japan Communications

オートデスク株式会社 コミュニケーションズチームです。企業情報、製品・サービスからテクノロジーやパートナーシップまで幅広いトピックに関する記事をお届けします。

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