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オートデスク ニュース

パリのノートルダム大聖堂の修復:最新技術が人気の名所に新たな命を吹き込む

4 年前、パリの空に厚い煙が立ち込めました。世界でも有数の大聖堂であり、美と信仰と希望を求める人間の精神の象徴であったノートルダム大聖堂で火災が起こったのです。800 年にわたるフランスの歴史が刻み込まれた建物が炎に包まれ、パリで愛されてきた大聖堂に大きな傷跡が残ったのでした。

約 500 人の消防士が何時間も消火活動にあたりました。パリの人々は、170 年以上前にヴィクトル・ユーゴーによって描かれたものとよく似た光景を目にしたのです。 「あらゆる人たちが教会のてっぺんを見つめており、驚くべき光景を目にしていた。中央のバラ窓よりも上の回廊の頂上の 2 つの塔の間では、火花を散らして大きな炎が上がっていたのだ。」

ノートルダム大聖堂の火災に衝撃を受けたのはパリ市民だけではありませんでした。フランス国外にも影響が広がり、オートデスクを含む個人や企業がノートルダム大聖堂を救うために寄付をしました。

その後、米国オートデスク社の社長 兼 最高経営責任者(CEO)アンドリュー・アナグノストは、現金の寄付だけでは不十分であり、オートデスクが歴史的建造物を救うための活動を行う必要があると認識しました。大聖堂から 2 ブロックも離れていない場所で 6 年間勉強したフランス人である私は、その活動に参加したいと思いました。火災の 2 週間後に、私はパリに行って被害状況を調査し、オートデスクが再建を支援できるかを確認しました。学生時代に何年も通りかかった大聖堂を間近に見て、衝撃と悲しみを覚えました。

<Revit で作成した大聖堂の外観イメージ

画像提供:公的機関、Rebâtir Notre-Dame de Paris、Art Graphique &amp; Patrimoine>

 

その訪問後、私はオートデスクが大聖堂をかつての美しい姿に戻すために、専門知識と技術を共有してプロジェクトをサポートできると確信しました。まず、リアリティ・キャプチャとデジタル復元の会社であるAGPを採用し、ノートルダム大聖堂を以前スキャンしたデータと、当社のソフトウェアを組み合わせて、火災前の詳細な 3D デジタルモデルを作成しました。

AGP は、火災前のモデルと火災後の新しいレーザースキャン、写真測量、ドローン映像を組み合わせて、大聖堂の全景をキャプチャーしました。ノートルダム大聖堂は複雑で構造が密であり、巨大なサイズであることから、オートデスクと AGP が実物大モデルを作成するのに 1 年以上かかりました。これはビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)技術による、歴史的モデリングの一例となりました。

モデルの完成後、BIM モデルと当社のソフトウェアを大聖堂の保存と修復を行う公的機関(Établissement public Rebâtir Notre-Dame de Paris)に寄贈し、プロジェクトに関わるチームが使用できるようにしました。私たちは公的な支援を通じて、BIM を含む設計・施工ソリューションと技術的な専門知識を提供し、再建に取り組むチーム全体のコラボレーション、透明化、効率化を向上させています。

公的機関 Rebâtir Notre-Dame de Paris の理事長である Jean-Louis Georgelin 陸軍大将は、次のように述べています。

「修復現場の監督・管理のために設計されたデジタル技術の活用は、公的機関にとって不可欠です。オートデスクの支援によって最先端の設計・建設技術や BIM を活用することで、大聖堂の再開に向けた準備を進め、再び巡礼者や観光客を迎えられるようになります」

<Revit によるノートルダム大聖堂の 3D モデル

画像提供:公的機関、Rebâtir Notre-Dame de Paris、Art Graphique &amp; Patrimoine>

 

このプロジェクトの主要なステークホルダーが、現場の計画と建設を管理するフランスのエンジニアリング会社である SETEC opency です。BIM ソリューションで作成した 3D モデルを活用することで、現場での制約を迅速に把握することができました。SETEC opency の建築部門ディレクターである Yvan Rouard は次のように述べています。

「2024 年末までの再開を目指すにあたって必要な 2 つの要素である、プロセスの正確さとスピードが 3D BIM によって大幅に向上しました。火災による被害から再建し、新しい技術的な安全性と快適性の要素を統合する作業において、オートデスクの技術は極めて重要でした」

まだ修復は完了しておらず、オートデスクは 2024 年の大聖堂の再開に向けて支援を続けていく予定です。チームや国が異なるオートデスクの従業員による今回のプロジェクトは、私たちの企業理念を示す一例であり、BIM の使用によって歴史的なデジタル記録を作成し、将来の災害や修復プロジェクトの回復力を高める方法を示しています。

今回のプロジェクトは、当社のソフトウェアが迅速かつ効率的な方法によってサポートすることで実現しました。伝統的なデザインと最新のワークフローソリューションを組み合わせた当社の技術的専門知識を提供することで、ノートルダム大聖堂の再開を支援できることをとても誇りに思います。

オートデスクのテクノロジーがノートルダム大聖堂に新たな命を吹き込んでいる様子は、こちら(英語)をご覧ください。

 

執筆者:ビジネス戦略 & マーケティング部門 AEC 担当バイスプレジデント/二コラ・マンゴン

 

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