twitter youtube facebook linkedin email

オートデスク ニュース

Autodesk、「2025 年度版デザインと創造の業界動向調査」を発表 ~AI 活用・人材確保・サステナビリティに大きな転換期~ 

米国 Autodesk 社(本社:米国カリフォルニア州/プレジデント兼 CEO:アンドリュー・アナグノスト、以下、Autodesk)は、「2025 年度版 デザインと創造の業界動向調査」を発表しました。

本調査は、建築・エンジニアリング・建設・運用(AECO)、設計・製造(D&M)、メディア&エンターテイメント(M&E)の各業界に携わるビジネスリーダーや未来学者、専門家を対象に実施されたもので、全世界で 5,594 人が参加し、うち日本からは 460 名が参加しています。これらのデザインと創造の業界では、世界全体で約 3 億人の雇用を創出し1、2027 年までにはその市場価値が 30 兆ドルに達すると見込まれています。2

3 年目となる今回の年次調査では、コスト管理、AI の導入、人材確保とスキルギャップへの対応、サステナビリティの実装状況といった喫緊の課題を定量的なデータとともに多角的に分析しています。

 

<調査結果の概要>

◼️ DX 成果とデジタル成熟度が業績を左右する時代へ

今回の調査では、DX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組む企業の多くが、顧客満足度の向上、生産性の改善、イノベーションの創出といった観点で、50% 以上の投資効果を実感していることが明らかになりました。

DX の進捗状況に基づいて、企業のデジタル成熟度を以下のように定義し、企業の業績や将来性との相関を分析しています。

  • 「目標間近」または「目標達成済み」と回答した企業: デジタル成熟度の高い企業
  • 「初期段階」〜「取り組み中」と回答した企業: デジタル成熟度の低い企業

この結果、グローバルでデジタル成熟度の高い企業の回答は、そうでない企業に比べて以下の項目で優位にあることが判明しました:

  • 業績を「平均以上」または「卓越している」と回答した割合: +30%
  • 「将来への備えが整っている」と同意した割合: +29 %
  • 過去 3 年間で「投資を増やした」または「大幅に増やした」と回答した割合: +35%
  • 業界の変化に「とてもうまく適応している」と回答した割合: +26%

今やデジタル化の恩恵は疑う余地がなく、その遅れが業績の停滞に直結しかねない時代に突入しています。
DX は決して容易な取り組みではありませんが、データは、短期的な困難をはるかに上回る長期的なリターンが得られることを示しています。

 

◼️ AI ハイプの次のフェーズへ:信頼と実装をめぐる企業の本音

AI への投資意欲は依然として高く、全体の 3 分の 2 を超える企業が今後さらなる投資を予定しています。すでに AI 導入によって生産性や意思決定に明確な成果を得ている先進企業も存在しており、今後はこの導入格差が競争を左右する重要な要素になると考えられます。

グローバルでの AI 活用は引き続き加速する一方で、その実装段階において多くの企業がスキル不足や適用領域の制約といった現実的課題に直面しています。調査結果からは、AI がもたらす業界全体への影響を「強化」とする回答が 69 %(前年 78 %)にとどまり、AI 導入のハイプサイクルが次のフェーズへ進みつつある様子が伺えます。

  • 「AI が自社の業界を不安定にする」: 48%(前年比 +7pt)
  • 「AI を信頼している」: 65%(前年比 -11pt)
  • 「AI 関連の意思決定に自信がある」: 69%(前年比 -9pt)

 

◼️ 日本市場の特性日本企業の AI 投資意欲はグローバル水準に迫るも、導入・実装面での課題が顕在化

日本の調査結果からは、AI に対する信頼度や期待値はグローバルと同程度である一方、実際の導入進捗や成果面ではギャップが大きく、日本企業におけるデジタル成熟度の影響が大きいと考えられます。

  • 「AI は自社業界を強化する」: 日本 55%(前年同率)/グローバル 69%
  • 「AI は業界を不安定にする」: 日本 29%(前年 31%)/グローバル 49%
  • 今後 AI への投資を拡大する予定: 日本 61%/アジア太平洋グローバルともに 68%
  • AI 関連の目標を達成しつつある、またはすでに達成している: 日本 23%(前年 33%)

特に、デジタル成熟度の高い企業に限ると、「AI は業界を不安定にする」との回答が 43% に達し、AI 過信 しない冷静な見極めが始まっていることが伺えます。

◼️ AI ブームを支える人材の供給が課題に

調査対象の多くの企業が、テクノロジーに対応できる人材の確保を今後の成長戦略の中核に据えている一方で、その実現に向けた教育リソースや研修環境の整備が追いついていない現状も明らかとなりました。

  • 「今後の採用で AI スキルを最重視」:日本 43%(前年比 +8pt)/グローバル 46%
  • 「有能な人材へのアクセスが障壁」:日本 55%(前年比 +7pt)/グローバル 58%(+15pt)
  • 「適切な技術スキルを持つ人材の確保が困難」: 日本 54%(前年比 +6pt)/グローバル 61%

また、日本企業の 45% が「研修プログラムを設計するための社内リソースが不足している」と回答しており、育成と確保の両面で課題が山積していることが浮き彫りになっています。デジタル成熟の高い企業では75% がスキルトレーニングに投資予定であるのに対し、低い企業では 40% にとどまり、格差の課題が懸念されます。

◼️ AI を活用したサステナビリティ施策はもはや企業の利益成長の源泉

テクノロジー導入とサステナビリティ施策が結びつくなか、AI の活用は環境配慮型の経営判断を加速させる中心的存在となっています。
グローバルでは、72% の企業が「サステナビリティ施策が年間収益の 5% 以上を生み出す可能性がある」と回答しており、AI の導入がその実現を加速させています。

日本企業のサステナビリティ施策における AI 活用は着実に上昇しており、デジタル成熟度の高い企業ほどその傾向が顕著に示されました。

日本企業においても、以下のような明確な傾向が見られます:

  • 「AI を活用してサステナビリティを推進している」:30%(前年 18%、一昨年 29%)
  • 「今後環境施策への投資を拡大予定」:デジタル成熟度の高い企業 72%、低い企業 36%
  • 「サステナビリティ施策が収益の 5% 以上に貢献」:54%(前年 53%)
  • 「サステナビリティ施策が人材雇用と定着に寄与」:デジタル成熟度の高い企業 73%/低い企業 33%

今回の調査結果に対し、Autodesk のプレジデント兼最高経営責任者(CEO)アンドリュー・アナグノストは次のように述べています。

「技術革新のペースが加速し、サステナビリティへの要求が高まる中、我々がサービスを提供するデザインと創造の業界全体で必要とされるスキルセットは急速に変化しています。これは業界リーダーにとって課題であると同時に、成長の機会でもあります。今回の調査から、変化に適応し、スキルギャップに真正面から取り組む企業ほど、新興テクノロジーを活用する上で有利な立場に立てることを明らかにしました」

本レポートはオートデスクのWebサイトより無料ダウンロード可能です:

「2025 年度版 デザインと創造の業界動向調査」完全版(日本語版)をダウンロード

参考文献

(※1)世界経済フォーラム

(※2)StatistaStatistaOxford Economics & PWC

 

2025 年度版 デザインと創造の業界動向調査』について

本レポートは、建築・エンジニアリング・建設・オペレーション(AECO)、設計・製造(D&M)、メディア&エンターテイメント(M&E)といったデザインと創造の業界のビジネスリーダー、未来学者、専門家を対象に実施される定点調査です。2025 年度版では、グローバルで 5,594 名(その内日本では 460 名)にアンケートと聞き取り調査を行いました。調査データは、地域ごと(アジア太平洋(APAC)、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、南北アメリカ(AMER))に分類されています。3 年目を迎えたこの年次調査では、データを過去 2 回のレポートと比較しています。

 

 

■Autodesk /オートデスクについて
1982 年に設立した Autodesk は、米国サンフランシスコに本社を構え、現在世界約 40 カ国・地域で事業を展開している「デザインと創造」のプラットフォームカンパニーです。サステナブルな建築物から次世代自動車、デジタルファクトリー、最先端技術を駆使した映画やゲームにいたるまで、ありとあらゆるものづくりのデザイン・設計・創造をテクノロジーの力でサポートしています。建設、製造、メディア & エンターテインメント業界における業務の効率化・自動化を促進する業界に特化したソリューションを搭載したインダストリークラウドを提供するほか、部門間のみならず業界全体の連携を実現し、業務プロセスを横断的にサポートする「デザインと創造のプラットフォーム」を展開し、より良い未来を築くべく、新たな可能性に挑戦するすべてのイノベーターを支援しています。詳細については、https://www.autodesk.com/jp をご覧になるか、Autodesk のソーシャルメディアをフォローしてください。 #MakeAnything

Autodesk、Autodesk ロゴは、米国および/またはその他の国々における、Autodesk, Inc.、その子会社、関連会社の登録商標です。その他のすべてのブランド名、製品名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。該当製品およびサービスの提供、機能および価格は、予告なく変更される可能性がありますので予めご了承ください。また、本書には誤植または図表の誤りを含む可能性がありますが、これに対して当社では責任を負いませんので予めご了承ください。
Autodesk and the Autodesk logo are registered trademarks or trademarks of Autodesk, Inc., and/or its subsidiaries and/or affiliates in the USA and/or other countries. All other brand names, product names or trademarks belong to their respective holders. Autodesk reserves the right to alter product and services offerings, and specifications and pricing at any time without notice, and is not responsible for typographical or graphical errors that may appear in this document.
© 2025 Autodesk, Inc. All rights reserved.

Autodesk Japan Communications

オートデスク株式会社 コミュニケーションズチームです。企業情報、製品・サービスからテクノロジーやパートナーシップまで幅広いトピックに関する記事をお届けします。

'