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オートデスク ニュース

水インフラを守るDX ー 持続可能な未来へ、オートデスクの挑戦

「DX はもはや選択肢ではない」ー 水業界を取り巻く現実

上下水道を取り巻く環境は、かつてないほど大きな変化を迎えています。気候変動による豪雨災害の頻発や施設の老朽化、人材の高齢化と不足など、複合的な課題が水インフラの持続可能な運用を脅かしています。こうした状況のなか、国内外の事業者が注目しているのが、デジタル技術を活用した「水インフラ DX」の推進です。

オートデスクは、建築・土木・製造分野で培った BIM/CIM のノウハウを活かし、水インフラ領域においてもアセットの計画・設計・建設・運用・保守の全フェーズを包括的に支援する「エンド・トゥ・エンド」の統合ソリューションを提供しています。これにより、情報の分断を防ぎ、意思決定の質とスピードを大きく高めることができます。

たとえば、初期の計画・設計段階では、流域又は敷地範囲の流出解析や配水管網の水理状況の再現が精緻な解析により可能となり、その結果、効率的な基本・詳細設計が進められます。施工段階では、Autodesk Construction Cloud® による情報共有により、現場と設計の齟齬を防ぎ、施設完成後もリアルタイムデータに基づいた監視やメンテナンス計画の最適化を実現します。

オートデスクの水インフラ向けソリューションは、上水道分野では需要予測に基づいた配水管網の更新計画、ライブモデリングによる配水状況の監視といった配水管理の高度化を実現させ、下水道分野においては内水氾濫解析や排水システム設計が、災害対策やグリーンインフラ設計を通じた持続可能な水環境の維持に寄与しています。さらには、上下水道ネットワークの状態監視を目的としたアセットマネジメントまでを一気通貫で支援します。

国内外での導入事例:テクノロジーが変える水インフラの現場

オートデスクの水インフラ向けソリューションは、日本でも多くの自治体や民間企業に導入されています。たとえば、「InfoWorks ICM」は全国の自治体が実施する浸水区域に係るハザードマップの作成業務において広く活用されており、公益財団法人日本下水道新技術機構のマニュアル*1にも掲載されています。

排水設計における「InfoDrainage」は、海外事例によると従来 80 時間を要していた業務を最大 32% 短縮し、プロジェクトコストも約 30% 削減するなど、明確な成果を上げています。また、具体な導入事例として、豪雨後に教育施設が浸水被害を受けたケースでは、ドローンにより取得した点群地形データと「InfoDrainage」の AI による Deluge(洪水)ツールを組み合わせて迅速に問題を特定し、修繕コストを最小化しました。

久留米市の実証事業*2では、東亜グラウト工業株式会社が配水管の状態評価の1手法として「Info360 Asset」を活用し、根拠に基づいた管路の現状評価を効率的に実施しました。

イギリスの水道事業者 Bristol Water においては、浄水場にてクリプトスポリジウムの痕跡が見つかるといった緊急事態が発生しました。導入されていた「InfoWorks WS Pro」によって構築された水理モデルを使い、配水管網ネットワークの影響範囲を即座に可視化。効率的な洗浄・消毒作業により迅速な給水再開を可能にしました。

その他にも、ニュージーランドの Wellington Water では、「Info360 Insight」を活用し、ポンプ場の運転状況を示すダッシュボードを構築し、サービス品質の維持と CO2 削減を同時に実現。オーストラリアの Hunter Water では、配水ネットワークの年次リスク評価において「InfoWorks WS Pro」を活用し、複数の需要シナリオに基づくリスク分析を実施しています。さらに、スコットランドの「スマート運河」では、「InfoWorks ICM」と「InfoWorks ICM Live」を用いてデジタルツインを実現し、運河の水位と浸水予測結果により樋門管理を行うことで洪水が頻発する地域の再開発を成功に導いています。

 

ライブデータが実現する「気づき」と「行動」

オートデスクの水インフラ向けソリューションは、ただデータを可視化するだけではありません。たとえば、配水やポンプ施設のダッシュボードは、リアルタイムでの異常検知や、“何を優先すべきか” の判断材料を提供します。

Info360 シリーズや InfoWorks では、ネットワークの状態評価、緊急対応シナリオのシミュレーション、さらには意思決定の自動化など、未来型のインフラマネジメントが現実のものとなっています。

特に「Info360 Asset」では、破損の可能性(LoF)と影響度(CoF)を点数化し、CCTV 調査や既存 GIS データと組み合わせることで、リスクマトリクスに基づいた優先順位付けが可能です。上水道分野では InfoWorks WS Pro の解析結果の活用機能の他、下水道分野では CCTV 調査画像については欧米の基準に基づき、AI 画像認識技術を用いた評価機能が既に具備されています。また、意思決定ツリーによる維持管理計画の自動立案も可能で、限られた予算と人員の中でも的確なアセット管理を実現します。

運転を最適化するリアルタイム分析と可視化の力

浄水場や下水処理場の安定的な運用においても、オートデスクのソリューションは貢献しています。クラウドベースの「Info360 Plant」では、SCADA IoT センサーと連携しながら、施設全体の運転状況をリアルタイムに可視化。処理フローに沿ったモニタリングやドリルダウン解析、ダッシュボードによるパフォーマンス管理により、電力コストやメンテナンスコストの最適化が図られます。これにより、浄水場や処理施設の持続可能性とレジリエンスが大きく向上します。

持続可能な未来に向けて

水インフラは、私たちの生活と社会基盤を支える最も重要な公共資産の一つです。限られた予算と人材の中で、その安心・安全な上下水道事業を維持し続けるためには、デジタル技術の力を最大限に活用する必要があります。

オートデスクは今後も、日本の自治体・民間企業・学術機関と連携しながら、地域ごとの課題に寄り添ったソリューションの提供を進めてまいります。単なるツールの提供にとどまらず、技術チームとの協議の機会や eラーニング等のご提供まで含めた総合的な体制で、現場の DX を支援します。

「デジタルの力で、未来の水を守る。」 その言葉の通り、オートデスクは水インフラの革新に挑み続けます。

*1「流出解析モデル利活用マニュアル、2017 年 3 月、(公財)日本下水道新技術機構」

*2 2024年度 AIを用いた水道配水管維持管理・更新計画支援業務委託

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1982 年に設立した Autodesk は、米国サンフランシスコに本社を構え、現在世界約 40 カ国・地域で事業を展開している「デザインと創造」のプラットフォームカンパニーです。サステナブルな建築物から次世代自動車、デジタルファクトリー、最先端技術を駆使した映画やゲームにいたるまで、ありとあらゆるものづくりのデザイン・設計・創造をテクノロジーの力でサポートしています。建設、製造、メディア & エンターテインメント業界における業務の効率化・自動化を促進する業界に特化したソリューションを搭載したインダストリークラウドを提供するほか、部門間のみならず業界全体の連携を実現し、業務プロセスを横断的にサポートする「デザインと創造のプラットフォーム」を展開し、より良い未来を築くべく、新たな可能性に挑戦するすべてのイノベーターを支援しています。詳細については、https://www.autodesk.com/jp をご覧になるか、Autodesk のソーシャルメディアをフォローしてください。 #MakeAnything

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