BSI グループジャパン株式会社(横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:根本 英雄、以下 BSI ジャパン)は、大和ハウス工業株式会社(大阪市北区梅田、代表取締役社長:芳井 敬一、以下 大和ハウス工業)に対し、日本初となる ISO 19650-1*1 および ISO 19650-2*1 に基づいた「設計と建設のための BIM BSI Kitemark(カイトマーク)」を認証しました。(認証登録日:2021 年 2 月 11 日)
昨今、建設業界ではデジタル化が急速に進んでいます。プロジェクトの開始から建設物の廃棄までのプロセスを、ビッグデータや IoT、クラウド、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)などを駆使して、効率的に管理する手法が取り入れられ始めています。
BIM は、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報を管理するための仕組みです。3 次元の仮想建設環境(共通データ環境)において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間でのコラボレーションと効率的な情報共有を可能にします。
ISO 19650 は、BIM を使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。BIM レベル 2*2 と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本 ISO の前身となる PAS 1192 規格と密接に連携しています。本要件を満たしていることを証明することは、成熟した BIM の導入を示すことになります。
BSI ジャパンでは、BSI Kitemark 認証および検証サービスの提供によって、お客様の BIM 成熟度を証明するサービスを展開しており、大和ハウス工業への BIM BSI Kitemark 認証は日本初となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.bsigroup.com/ja-JP/Building-Information-Modelling-BIM-ISO19650/
— 注記 —
*1
ISO 19650 は、BIM を含む建築・土木工事に関する情報の統合およびデジタル化
ISO 19650-1:2018 は、BIM を使用した情報マネジメント:概念及び原則
ISO 19650-2:2018 は、BIM を使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3:2020 は、BIM を使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ
ISO 19650-5:2020 は、BIM を使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
*2 英国政府は 2016 年 4 月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIM レベル 2 で作業することを要求しています。英国では BIM の成熟度によって、レベル 0 からレベル 3 まで設定されています。
大和ハウス工業 上席執行役員 建設デジタル推進担当 南川陽信氏のコメント
BIM BSI Kitemark 認証取得の目的
「大和ハウス工業では、2017 年より全社で BIM に取り組み、建築系の設計部門においては、2021 年 3 月までに完全 BIM に移行できる見込みとなっています。しかし、日本では、BIM について達成度程度の指標しかなく、具体的に BIM の内容を評価する指針がありませんでした。今回 BIM に関する ISO が発行されたことで、弊社の BIM が世界でも通用するものであることを確認するために、ISO 19650-1 および ISO 19650-2 の設計段階での認証取得に踏み切りました」
BIM BSI Kitemark 構築による成果、工夫、苦労した点
「苦労した点としては、ISO 19650-1 および ISO 19650-2 が、日本での設計・施工業務と少し異なる背景で作られたと思われる部分があり、規格に対しての解釈が難しかった点と、規格で必要とされる資料のひな形から手探りで作っていかなければならなかった点です」
「しかし、解釈を進めていくと、この ISO 19650-1 および ISO 19650-2 の内容が日本でも十分通用することがわかり、実務においてどのような形で利用すればよいかを考えていくことで、資料も問題なく作成することができました」
今後の活用について
「日本で初の ISO 19650-1 および ISO 19650-2 の認証を受けた企業として、弊社の BIM の技術を用いて、よりお客様に満足度の高い建物造りを行ってまいります」
大和ハウス工業株式会社 上席執行役員 南川 陽信氏(左)、BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 根本 英雄氏(右)
— オートデスクからの追記 —
尚、BIM BSI Kitemark を取得するために、CDE(共通デスクトップ環境)として、施工ドキュメント管理ソフトウェア Autodesk BIM 360 Docs が活用されています。また、プロセス改善プロジェクトの一環として CDE の情報整備には、オートデスクのコンサルティング サービスを提供しています。
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