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オートデスク ニュース

建設業界のデジタルトランスフォーメーションに関する最新のグローバル調査結果を発表

HIDE SHIMIZU
August 28, 2020

日本は DX 成熟度が比較的高い一方、「効果的な技術の欠如/時代遅れの技術」が懸念

オートデスク株式会社は、米調査会社 International Data Corporation(IDC)がオートデスクの依頼により実施した建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するグローバル調査、IDC InfoBrief 「Digital Transformation: The Future of Connected Construction」(デジタルトランスフォーメーション:コネクテッドコンストラクションの未来)について日本版の結果を発表しました。

この IDC InfoBrief は、欧米およびアジア太平洋地域の大手建設会社(ゼネコン)で働く 835 社(うち、日本は 50 社)の建設プロフェッショナルを対象に、建設業界における DX の成熟度と課題について評価を行ったものです。

調査の結果、DX の成熟度を 5 段階で「個人依存」・「限定的導入」・「標準基盤化」・「定量的管理」・「継続的革新」と評価したところ、世界全体の回答者の過半数(58 %)がまだ初期段階(個人依存・限定的導入)であり、28 %は中期段階(標準基盤化)に入り、13 %はすでに成熟段階(定量的管理・継続的革新)にあると回答しました。

日本においては、初期段階(個人依存・限定的導入)42 %、中期段階(標準基盤化)34 %、成熟段階(定量的管理・継続的革新)24 %の結果となり、成熟段階の割合はアジア太平洋地域で最も高く、ドイツ・米国と並んで世界でも上位国の1つとなっています。その一方で、4 割以上の建設会社は、個人依存・限定的導入な初期段階にとどまる状況です。

DX 推進における「5 つの課題」

建設会社が DX を進める上での課題については、世界全体では「デジタルへの投資に関する戦略的ロードマップの作成」(46 %)の回答が最も多く挙げられ、次いで「適正な組織構造の構築」(42 %)、「デジタル化の成果を測る KPI およびメトリックの確立」(37 %)、「デジタルのケイパビリティおよびスキルの開発」(36 %)、「デジタルプロジェクトの全社的な統合」(29 %)の順に多くなっています。これら 5 つの課題を解消することが DX の成熟度を高め、市場における競争優位性の獲得につながります。

日本においては、「デジタル化の成果を測る KPI およびメトリックの確立」(60 %)、「デジタルプロジェクトの全社的な統合」(56 %)の回答が突出して多く、他国と比べて大きな障壁になっていると考えられます。

日本の建設会社の懸念は「効果的な技術の欠如/時代遅れの技術」

また、DX に限らず建設業界における懸念事項についても聞いたところ、世界全体では「リスクへの効果的な対処」(12 %)・「データセキュリティ」(11 %)・「プロジェクトを予算内で工期通りに完遂」(11 %)が上位でしたが、日本の建設会社ではそれらは特に懸念されておらず、「効果的な技術の欠如/時代遅れの技術」(15 %)が最も高い結果となりました。

 

IDC ジャパンのリサーチバイスプレジデントの寄藤 幸治氏は、次のように述べています。
「今回の調査で、世界の建設会社はデジタルコンストラクションソリューション(BIM ワークフロー、入札管理、プロジェクト管理など)を活用して建設プロジェクトの改善や変革を行い、DX を加速していることがわかりました。労働力不足や技術伝承など多くの経営課題に直面する国内の建設会社においても、デジタル技術を活用したそれらの解決は必須であり、他の業界に先駆けて DX を実現する必要があります。国内建設会社の DX に対する課題として挙げられた「KPI およびメトリックスの確立」「デジタルプロジェクトの全社的な統合」は、全社戦略の一環として DX に取り組み、企業価値向上に結び付けていくという建設業界としての強い姿勢が表れたものと IDC では見ています。」

オートデスク株式会社の代表取締役社長の織田 浩義は、次のように述べています。
「世界的に建設業界は最小限のエネルギーで最大限の成果を出さなければならないという現実に直面しています。より多くのインフラが必要とされている一方で、人材が不足し、収益率も低下しています。こうした状況にあって、企業が生産性を向上させて競争力を高めていくためには、デジタル化を導入してチームとワークフロー、データを接続して行かなければなりません。ビジネス面においても、近い将来までに解決すべき課題と認識されています。経営戦略・IT 戦略をしっかりと固めて、社内の理解と協力を得た上で、社内一丸となって取り組んでくことが重要になります。」

 

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HIDE SHIMIZU

ブランドマーケティングマネージャーとして、オートデスクのブランドの資産としての価値を高めるために、ブランド戦略やソートリーダーシップ戦略の立案・構築・管理までの活動全般を担当。

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